どっちが有利?「女子アナ内定取り消し」事件のポイント4つを弁護士が解説

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『WooRis』の過去記事「女子アナだけじゃない!弁護士が教える“内定取り消し”3つのパターン」では、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士からのお話をもとに、企業による内定取り消しは、内定者が重大な刑事事件を起こすなど、よほどの事情がない限り、法律上は認められないことをお伝えしました。

では、目下世間をにぎわせている日テレ女子アナ内定取り消しのケースではどうなんでしょう? 世間では渦中の女子大生を擁護する声、批判する声などさまざまな反応が出ていますが、はたして日テレと女子大生、どちらが有利なのか、引き続き岩沙弁護士からのお話をもとに、今回の事件のポイント4つをお届けしたいと思います。

 

■1:“アナウンサーはイメージが命”という主張は妥当?

今回の件、「ホステス経験は女子アナのイメージを損なう」と日テレを擁護する声もあるようですが、この点について法律的にはどう判断されるのでしょうか?

「たしかに、アナウンサーといえばその会社の看板のようなものです。

テレビ局は主に広告収入で経営が成り立っています。ホステス経験者が女子アナというのはイメージがよろしくないとスポンサーを降りる企業が出てしまうと、それだけで数億円の損害です。そういった意味で、アナウンサーは通常の事務職や営業職よりも内定取り消しが認められやすいとはいえます」

 

■2:過去のアルバイト歴で内定取り消しは認められる?

「そもそも内定取り消しは法律で厳しく制約されており、ホステスに限らず、過去のアルバイト歴で内定取り消しが認められることは、通常はありません。今回の日本テレビのケースでも、内定取り消しは無効とされる可能性が高いと考えられます」

 

■3:裁判で勝っても前途は多難では?

しかし、内定の取り消しが無効とされて晴れて入社できたとしても、社内での居心地が悪いんじゃないでしょうか?

「たしかに、法律的に内定取り消しが無効とされても円満に事が進むとは限りません。たとえば、会社から入館カードがもらえなくて、仕事ができない状態に追いやられるなどですね。

ただこの場合も、会社側の都合で働きたくても働けないという状態ですから、全く勤務実績がなくても、締め出された従業員は賃金請求権を持ちます。つまり会社側は働かせなくても給料を払わなければいけません」

「働かずに給料がもらえるならいいじゃん」という見方もあるでしょうが、せっかく憧れの会社に入れても自分の居場所がない……というのはやはり相当辛いものがありますね。

 

■4:お金で解決を図ることは可能?

人によっては、入社後に肩身の狭い思いをするくらいなら、いっそのことお金で解決したいという考えもあると思います。内定取り消しを主張する企業からお金を払ってもらうことはできないでしょうか?

「実は、内定取り消しを争う訴訟では、判決までいかずに和解で終了するケースが非常に多いのです。企業が内定者に入社をあきらめてもらうかわりに解決金を支払います。

解決金の相場はだいたい給料の3~6カ月分ですね。ただ、今回の日本テレビのケースでは、会社側が一刻も早く事態の収拾を図るために、相場よりも高額の解決金を提示する可能性もありますね」

企業から内定者に一種の“手切れ金”を支払って解決ということもあるのですね。

 

以上、“日テレ女子アナ内定事件”のポイント4つをお届けしましたが、もしあなた自身が当事者だとしたらどうしますか? あくまで入社を主張するもよし、入社はあきらめて金銭的な解決の道を探るもよし、いずれにせよ理不尽だと思ったら、ただ泣き寝入りするのではなく、まずは弁護士に相談してみてくださいね。

 

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【取材協力】

※ 岩沙好幸(いわさ・よしゆき)・・・弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所所属。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。編著に『ブラック企業に倍返しだ!弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマ・ドット・コム)。『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。